世界同時不況のなか、商社の香港現地法人が時代変化に対応した新たな機能を模索している。日本向けOEMのコスト削減・品質管理の徹底、ベトナムをはじめとする第三国での生産拠点の整備、次の成長をにらんだ新規ビジネスの育成や拡大などの動きが進む。
存在感を示すのが伊藤忠商事。原料のITMは08年度売上高が2億ドル、収益も35%増で4期連続の増収増益の見込み。薄利多売の定番商品が減少すると同時に、中国企業向けの販売が伸びている。グローバルな原料貿易を行う拠点としての香港の位置づけが高まっているといえる。
収益の60%は差別化繊糸などが稼ぐが、綿糸もインドや中国産オーガニックコットンで取り組みを強化中だ。本年度内に累計で1,000tの販売規模を予定するが、現在はプレ・オーガニック段階が主であり、本格化には2~3年のスパンが必要であると考えられている。
一方、製品主のPALは08年度売上高2億8000万ドルで収益も20%増の予定だ。ただ80%が現地や中・インドであり、対日収益は20%に留まっている。ここにきて米国向けのオーダーキャンセルも目立ち、新たな商圏作りが急務である。呼応するかのように、同社はFIFAのアパレル関連商品の企画・生産事業を立ち上げている。2011年までに新たに2億ドルの売上高を狙う。ワールド杯後のブランド確立も目指す目論見だそうだ。
三菱商事傘下トレディアファッションの07年取扱高は8億ドル強。中国68% 香港20% ベトナム12%の構成である。カジュアルSPAや対日OEMに傾注しており90%がそれらをしめる。
トレディア香港に期待される機能として、ベトナムでの生産体制の確立である。取扱いは年々増加傾向にある(05年5,800万→06年7,500万→07年9,300万ドル)が、伸張率ともに、中国に軍配があがる。ただ、リスク分散という意味で第三国としてベトナムをチョイスするあたり、三菱らしい手法でもある。
一方、日商岩井(双日HDG)もベトナムでの基盤整備に余念がない。本社管轄で、現販売先とは別に、香港独自法人を組織している。まだホーチミン中心のみであるため、今後ハノイや北部拠点の拡充が望まれるところである。非繊維のラインナップ拡充の為、帝人ファイバーとの連携も見逃せない。

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